仕上がりにこだわる職人の業

ヘッドウェイのギターは全て手作業により組み立てられていきます、その業の一部を紹介します。

フレットは1本1本木槌による手打ち、浮きや緩みがほとんど起きない熟練された業です。 塗りこみPGは後貼りのものに比べ格段に高級感があり剥がれる心配もありません。研磨や貼る作業に手間がかかるため塗りこみにするメーカーは少ないです。
フレットサイド処理も1本づつ丁寧な手作業により仕上げています。 ブリッジ接着の際剥がす塗膜はブリッジと同サイズにすることによりブリッジとボディートップの接着面が最大になりよりスムーズに弦振動をボディーへ伝えます。

ボディーとネックは別塗装することによりジョイント部の仕上がりが綺麗になる、しかしこれには塗装前と後でボディーの状態が変わるので非常に仕込が難しくなります。ボディー、ネックそれぞれ1本づつ個体差があるのでそれぞれに応じた仕込が必要になります。

ブリッジピンホールのスリット処理も1つ1つ手作業によりギターの個性に合わせて加工します。音質にもかかわる重要な仕事です。

ナット・サドルの加工、調整も弾きやすさと音質の両方に深く関わりがあり、この作業でギターの良し悪しが決まるといても過言ではありません。ナット溝ひとつ切るにしても0.1mmにも満たない繊細な手さばきが要求されます。

サドルは1本1本全て手で削り、磨きそのギター専用に仕上げています。
ボディー内のラベルはブラスプレートラベルから皮の焼印ラベルへ変わりました。従来のブラスではバック材の動きについていけなかったのですが、伸び縮みする皮にすることにより、バック材にストレスを与えなくなりました。
ヘッドウェイのギターは長く愛用してもらうため剛性、耐久性に優れています。そのため、ボディーの鳴りをしっかりと出すために”弾き込む”事をお勧めいたします。買ったその場から何十年と弾きこまれたギターの音に近づけることは可能です、しかしそうするとどうしても強度的に弱いギターになってしまい、楽器として短命な物なってしまいます。また、ギターは常に弾かれる事を望んでいます。人の住まない家屋が時とともに朽ちていくのと同じで、ギターも弾かれなければどんどんと痛んでいき、押入れの奥にしまっているだけでは良い音にはなりません。そのためお客様に”弾き込む”という最後の仕上げをし本来持つ”鳴り”を引き出し最高のギターにしてもらえれば幸いです。これは作る側の我々にはどうしても出来ない作業なのです。